以前住んでいたマンションは、4階までしかない共同スペースがある安いマンションでした。
洗面所もトイレも共同で、掃除は自分たちで持ち回りでやっていました。
ある時、トイレが閉まっていたので誰か入っているのだろうと思っていました。
ところが、1時間経っても2時間経っても誰も出てこないのです。
これは、誰かが中で倒れているのではないかということになり、マンションの1階にいた2人で必死に呼びかけました。
そうこうしているうちに後1人も帰ってきて、では一番年配の人が倒れているんじゃないかと青くなりました。
大家さんに連絡して、警察にも連絡した方がいいんじゃないかと思っていたところに、みんなが中で倒れているのではないかと心配していた人が帰ってきました。
どうも、半分カギを閉めた状態でトイレのドアを閉めたら、その衝撃で閉まってしまったようです。
その犯人は、どうやらみんなが心配していた一番年配の方のようでした。
出かける時に勢いよく閉めてしまったらしいのです。
そんなことはもうどうでもよかったんですが困ったことになりました。
このままではトイレを使うことができなくなるので、みんなでなんとかこじ開けたんです。
それで、今度はカギが壊れてしまったわけですから、仕方がないので交換することになったのです。
もちろんこじ開けるのは大家さんも了承してからだったので、大家さんが取り替えの費用を出してくれることになりました。
もしその時に、自分たちで弁償なんてことになっていたら、大家さんに抗議していたと思います。
その後、古い安マンションでトイレのノブだけが新しくなって、なんだかそこだけ取ってつけたみたいでしばらく妙な感じでした。
どうせなら全部の部屋のカギを変えてくれたらいいのに、そういう話には全然ならなかったのは安いマンションのことですから仕方がありません。
いまから思うとよくあんなマンションに住んでいたなと思います。
私も若かったんですね。